旅のヒント
vol.42
もくじ
旅行先で「この風景、この笑顔を残しておきたい」そう思うことは数多くあります。観光地の美しい自然や宿泊地の特別な空間も、ほんの少しのコツを掴めばより魅力的に写真に残すことができます。写真家の大鶴倫宣さんにお聞きする、スマホ撮影術の後編です。
前編はこちらからご覧いただけます。
満開の花々を印象的に撮ってみたい
草花もまた、フォトジェニックな被写体のひとつです。お花畑や桜並木など、沢山の花が咲いているのは時期も限られているため写真に残したいもの。しかし写真に撮ってみると何となく群集感がなくなってしまうと感じたことはありませんか。
群集感を出すために、望遠カメラを使って奥の被写体の圧縮効果を高め、密度が増したように見せるテクニックがありますが、スマホカメラの場合は、それほど望遠ではないので期待するほどの圧縮効果はありません。
そこで大鶴さんにお聞きしたところ、スマホでお花を撮影する場合は、一輪をアップにして撮影すると、背景がボケて良い感じの写真になるとのこと。桜などの小さな花がたくさん咲いているシーンでも、ほかの桜を背景に一輪だけアップにすることで、背景はボケた淡い桜でいっぱいの写真となります。
【惜しい!写真】
▲惜しいポイント
- ・数輪に寄って撮影されているが、背景のボケが弱い
- ・背景に梅以外の建物やお堀が写っているので、情報が多い
- ・曇り空のため自然光が足りない
【アドバイスを受けて撮影しました!】
◎OKポイント
- ・正面側から光があたる「順光」で明るく撮れている
- ・背景にお堀と建物が写っているがボケ感が強いので、より桜が強調されている
観光地の寺社仏閣や建物を撮りたい
泊まったリゾートや観光地の建築物など、建物を撮る機会は数多くあります。ところが、ビルなどの建築物はそのまま撮ると歪んでしまいます。特にスマホのカメラは広角レンズで写る範囲が広いため、より歪みが発生しやすくなるのです。歪みをなくすには特殊なレンズが必要となるため、あまり歪みが気にならないような構図にするなどの工夫を加えると良いでしょう。
大鶴さんのおすすめは、逆に歪みを利用する「あおり」の写真。下からあおるようなアングルで撮影することで、歪みが高さを強調してくれるそうです。また、人物をあおり気味で撮影すると足長効果も出るためおすすめです。
なお、歪み自体はアプリなどで加工して調整することもできます。iPhoneには標準アプリで歪みを補正する機能がありますので、それを使ってみるのもおすすめです。
【アドバイスを受けて撮影しました!】
◎OKポイント
- ・しゃがんで、あおり気味に撮影したので空が大きく、開放感がある
- ・順光で色がきれいに出ている
撮影の際に高さを変えると、いつもと違った動きのある写真となります。特に高さのある建物前で写真を撮るときは、全体を写すために後ろに下がると被写体が小さくなってしまうため、しゃがんであおるような構図で撮ると上部も写ります。
泊まっているリゾートやホテルなどの室内を撮っておきたい
室内も同様に歪みが発生しやすい被写体です。後々にアプリで歪みを補正する場合でも、中央など目立つ部分の柱や壁などの垂直、または天井、ベッドなどの水平はどこかひとつ保つように撮影しておきましょう。
また、リゾートホテルや庭のきれいな旅館などに宿泊して、窓から見える景色も伝えたい場合。スマホのカメラはオートフォーカスにしていると、ピントを合わせた場所の明るさに合わせてライティングの調整もしてくれます。室内にピントを合わせると外の景色が暗くなってしまったり、明るすぎて白く飛んでしまったりする場合は、多くのスマホカメラに搭載されているHDRという機能を使ってみましょう。
HDR機能とはほとんどのスマホカメラに搭載されている機能で、1回のシャッターで明るさの異なる複数の写真を自動で撮影し、それらの写真を自動で合成・補正して表示するもの。逆光や暗所での撮影でもきれいな写真が残せる機能です。多くの場合、最初から設定されていますが、念のため機能がオンになっているか確認しておくと良いでしょう。
機種によって異なりますが、iPhoneの場合、グリッドの表示方法と同じです。「設定」から「カメラ」を選択し、「自動HDR」もしくは「スマートHDR」をオンにします。Androidの場合は機種によって様々ですので、カメラアプリやスマホの設定画面で確認が必要です。
ラナイ(ベランダー)から素敵なオーシャンビューとマウンテンビューが楽しめるヒルトングランドバケージョンズのタイムシェアリゾートにお泊まりの際には是非挑戦してみてください。
室内撮影の2つのポイント。
- ・どこか1ヶ所の垂直、水平を合わせる
- ・撮りたいものを決めて、そこが一番きれいに写るように構図を考える
例えば、ベッドの広さを表現したいなら、ベッドが大きく写るように。部屋の広さを撮りたいのなら、ベッドは少し写っているだけでもベッドだとわかるので端や手前に見切れるように入れ込むだけでも構いません。
【スマホでもここまで撮れます】
◎意識したポイント
- ・外の景色も入れるためにHDR機能を使って明るさを調整
- ・窓と壁の垂直を意識
<さらにプラス!>写真家からのもうひと工夫ポイント
- ・垂直がかなり保たれていますが、最終確認と仕上げをアプリの補正機能で補うと◎
- ・もう少し上部が映っていると良さそうです!
わざとらしくない、楽しく遊ぶ子どもを撮りたい
家族旅行で必ず押さえておきたい子どもの写真。楽し気で自然な写真を目指すなら、大鶴さんからのアドバイスはただひとつ。「カメラ目線で『ハイチーズ』と撮るのではなく、カメラを意識せずに遊んでいる様子を撮影すると良いですよね」とのことでした。
もちろん、カメラ目線の写真でも素敵なものはたくさんあります。例えば、シャッターを切る瞬間にジャンプして躍動感あふれる写真にしたり、足を開いて後ろ向きに立って股の間から顔を出したり。ポーズや動きがあれば、ぐっと楽しさが溢れます。
旅の思い出をを素敵にスクラップ
旅行などで様々な写真を撮影したら、旅の思い出としてまとめておくと後から見返した時により楽しく思い出すことができます。
インスタグラムの「コレクションに保存」でミニアルバム
すでにアカウントを持っているなら手軽なのは、インスタグラムです。インスタグラムには「コレクションに保存」という機能があり、投稿した写真を「〇〇旅行」などに名付けたカテゴリへ保存することで、後でまとめて見ることができます。
「コレクションに保存」は他人の写真も保存できますが、自分の写真だけを集めることでミニアルバムのように活用することも可能です。
フォトブックで思い出を紙に残す
写真を紙で残したい場合は、フォトブックがおすすめです。アプリやウェブサイトから写真を選んで注文するだけで、写真が本になって届きます。
サービスは数多くあり、1ページにつき1点の写真を配置して8ページくらいの本ができるものや、1ページに複数の写真を入れることができるもの、文字を入れることができるものなど様々。費用に関しても、アプリをダウンロードして会員登録すれば毎月1冊は送料だけで作成ができるもの、数百円ほどで作れるものなどがあります。
また、カメラ専門店などにある写真プリントのサービスの中には、様々なサイズの1枚の紙にスクラップ風に写真をちりばめたデザインのものが作れたり、新聞風のものが作れたりするものもあるので、好きな方法で旅の思い出を形に残すことができます。
なお、景色を撮影する際に、空や砂浜を大きめにした構図の写真を撮影しておくと、その部分にタイトルなどの文字を入れる加工が可能になります。フォトブックやスクラップを作る時に重宝しますので、撮影時にひと工夫しておくのもおすすめです。
いかがでしょうか。どれもそれほど難しくないコツばかり。大鶴さん曰く「何を撮りたいと思ったのかを意識するのが大切」とのこと。「写真を撮りたい!」と思ったものが何かを意識しながら、後は気軽にコツを試して撮影を楽しむと、撮影者の楽しさが写真に現れてくれるかもしれません。
旅先で素敵な写真が撮影できると嬉しいものです。ぜひ活用してみてください。
【今回のリゾート】
小田原
ザ・ベイフォレスト小田原・ヒルトンクラブ
沖縄
ザ・ビーチリゾート瀬底・ヒルトンクラブ
ハワイ
ザ・マウイベイヴィラズ・ヒルトングランドバケーションズクラブ
写真家:大鶴倫宣
鉄道写真を中心に、人と街・鉄道との関わりをモチーフにした写真作品を発表。鉄道誌や写真誌で撮影技術に関する連載なども行う。公益社団法人 日本写真家協会(JPS)会員
https://otsuru-photo.com/
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